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本年もどうぞよろしくお願いいたします


(白髭神社:滋賀県高島市)


新年あけましておめでとうございます

大雪の年明けとなりました

どんな時も地に足をつけつつふわっと浮かぶ湖中鳥居のように

昨日、今日、明日を、歩きたいと思います

本年もどうぞよろしくお願いいたします
| 23:13 | - | - | お知らせ |

竹澤 哲のフットボール紀行 2014 in Brasil 第8回

ブラジルの大敗

 ブラジル対ドイツ戦をリオの空港で見た。じっくりと試合を見たかったので、人の少なそうなレストランを選んで、テレビの最前列に座った。チアゴ・シウヴァとネイマール抜き。それでもブラジルの力を、この国の人と同じように私は信じていた。しかしそれが脆くも崩れ去るのに時間はかからなかった。むしろ、ドイツのスピードある攻撃があまりに見事に決まるものだから、心地よくさえ感じていた。ブラジルがこんなに平凡なチームであったのかという驚きはもちろんあったけど。

 試合の途中、ウエイターが近寄ってきて、私に「ウマ・ヴェルゴーニャ(恥ずかしいね)」と声をかけた。誰もが目の前で起きていることが信じられないでいた。そんな感じだった。

 たしかに開幕以来、ブラジルがいい戦いを続けてこなかったし、こんな勝ち方でよいのかとも感じていた。

 しかしこれほどの大差がついて負けるとは・・・。

 空港は国内線中心でもあったため、旅をする人も少ない。空港全体がひっそりと悲しみに包まれたようだった。おそらくリオの街もきっとそうだっただろう。街は暗闇の中にどっぷりと沈んでいた。そして雨が降っていた。

 決勝を前にワールドカップは終わったという気持ちと、それまでブラジル国内を回ってきた疲れが一気に出て、無力感に襲われた。これがブラジルで行われる、楽しみにしていたワールドカップだったのだろうかと思うと、少し辛かった。

 翌日、オランダ対アルゼンチン戦のためにスタジアムへ向かうと、サンパウロの街はまるで人がいなくなったかのように、静まりかえっていた。悲しみが国中に充満している、大げさなようだが、そのような感じだった。

 オランダ対アルゼンチン戦は、ブラジル戦とは対照的だった。どちらも負けないサッカーをして堅実に戦っていた。ブラジルももう少し、堅実に戦えばよかったのではないかと思ったが、守備的に行ってもネイマールのような得点源がいなければ、結局は負けていただろう。そう思うことにした。



竹澤 哲さん渾身のブラジリアンフットボール紀行
ジンガ:ブラジリアンフットボールの魅力
| 08:28 | - | - | 竹澤哲のフットボール紀行 |

竹澤 哲のフットボール紀行 2014 in Brasil 第7回

ネイマールの怪我

まさかこのような形で、ネイマールがワールドカップから去るとは予想もしていなかった。コロンビア戦は苦戦が予想されていたが、ブラジルの試合への入り方はとてもよかった。その勢いに圧倒され、コロンビアは前半ほとんど何もできなかった。コロンビアは大会を通じて、とてもよく健闘したし、またブラジル戦においても、内容的にも悪くなかった。それでもこれからの大会の盛り上がりを考えると、ブラジルが勝ち残ってほっとした人は多かったはずだ。

 ネイマールがチリ戦後、「この大会に向けて、生半可な気持ちで準備してきたのではない。だからこんなに早く敗退するわけにはいかないんだ」と話していたが、まさか、次の準々決勝で怪我を負い、消えてしまうとは・・・

 もともとネイマールは体格的にも、フィジカルコンタクトが強くないし、怪我の心配はされていた。それでも本人が最後まで試合に出たがるため、フェリポン監督も、途中交代させずに最後まで起用することが多かった。2対0となった段階でネイマールを下げていればと、後の祭りではあるけれど、そう思ってしまう。

 初戦で2ゴール、華々しいスタートを切ったネイマール。その後は、今ひとつとか、本来ならもっとやれるはずと言われながらも、やはりネイマールの存在は大きかった。ネイマールがボールを持つと何かが起きそうな予感を与えてくれたからだ。

もっとネイマールのプレーが見たかった。


竹澤 哲さん渾身のブラジリアンフットボール紀行
ジンガ:ブラジリアンフットボールの魅力
| 08:25 | - | - | 竹澤哲のフットボール紀行 |

竹澤 哲のフットボール紀行 2014 in Brasil 第6回

祭りの始まり



 決勝トーナメントベスト16、ブラジル対チリ戦を見た。ベロ・オリゾンテ、ミネイラオン・スタジアムは黄色のユニフォームを着たブラジルサポーターで埋め尽くされた。この日が土曜日であったこともあり、早朝からスタジアム周辺に限らず街中がお祭り騒ぎとなった。これからがノックアウト方式であり試合の緊張感もこれまでとは比べることができないくらい高まる。グループリーグが終わり、出場国の数は半分となり、多くのサポーターが帰国したはずだが、決勝トーナメントに残ったサポーターたちはこの緊張感と幸福感を同時に味わうことになる。

 決勝トーナメントの幕開けとなったこの試合は、とても緊迫したゲームとなった。最初ブラジルが先取点を取った時点では、ブラジルの楽勝となるのかと予想されたが、その後、すぐにチリがアレクシス・サンチェスのゴラッソで追いつく。それからはむしろチリペースとなった。ブラジルはミスパスも多く、攻撃も単調でなかなか突破口を開けない。時々ネイマールがボールを持ち、攻め上がるが、チリのディフェンス陣に囲まれてボールをとられてしまう。それに対してチリはスピードのあるカウンターをくりかえし、ブラジル守備陣を脅かした。特にアレクシス・サンチェスがボールを持つと、ブラジルの守備陣はその対応に慌てた。この試合において彼の活躍はとても光っていた。
 延長終了間際にチリのマウリシオ・ピニージャが放ったシュートがバーを叩いたときには、ブラジル人サポーターの悲鳴がスタジアムに轟いた。

 結局、勝敗はPK戦で決まることに。私の前に座っていた女性などは、PK戦が始まると泣き出して、ピッチに背を向けていた。むしろ威勢がよかったのは、ゴール裏に陣取ったチリサポーターだった。



 ブラジルの勝利が決まると、大きな歓喜がスタジアムに渦巻いた。
 ヒーローはPK2本を止めたGKのジュリオ・セザルであり、翌日の新聞はすべてが彼を讃えるものばかりだった。しかし大きな重圧の中、PK戦の5本目を決めたネイマールの落ち着きはすばらしかった。まだ22歳でありながら、しかも今大会大きな期待をかけられているネイマールは、どれだけ大きなプレッシャーを受けながらボールを蹴ったのだろうか? ブラジルの勝利が決まった瞬間に泣き出したネイマール。試合後に「ペナルティを蹴るために歩いていく時、その距離がとても長く感じた」と語っているように、その重圧は計り知れないものだった。監督のフェリポンは「彼はまるで35歳の選手のように落ち着いていた。17歳や18歳ですでにたくさんの重圧を受けながら戦ってきたからだろう」とネイマールを褒めた。



 翌日のフォーリャ紙は「最も苦しんだ一日、そして最も喜びとなった一日」と見出しに書いたが、ブラジルサポーターにとっては本当に長い一日だったにちがいない。


竹澤 哲さん渾身のブラジリアンフットボール紀行
ジンガ:ブラジリアンフットボールの魅力
| 14:05 | - | - | 竹澤哲のフットボール紀行 |

竹澤 哲のフットボール紀行 2014 in Brasil 第5回

コロンビア



 コロンビアには特別な思い入れがあった。’94年ワールドカップ南米予選でアルゼンチンを敵地にて0対5で破り、ペレが優勝候補に挙げたこともあり、私は期待してコロンビアの3試合をアメリカまで見に行った。ところが結果はまさかのグループリーグ敗退。アメリカ戦でオウンゴールをしてしまったエスコバルは帰国後暗殺されるという悲劇まで起きている。その直後、ナンバー誌の取材で「エスコバルはなぜ殺されたのか」というルポのためコロンビアを訪れた。一部麻薬マフィアの存在によりコロンビア全体が悪いイメージを持たれている一方で、純粋にサッカーを愛する多くの人々の存在を強く感じたものだった。



 あれから20年、コロンビアは大きく変わった。かつて力を持っていた麻薬組織も力を失い、そしてなによりも、今回のワールドカップに16年ぶりに出場を決めた。南米予選2位、FIFAランキングも大幅に順位をあげたのは、3年前にアルゼンチン人監督ペケルマンが就任したことが大きかった。

 対日本戦前々日にコロンビアの合宿地を訪れたが、驚いたのは記者の多さだった。

 FIFAのアクレジテーション(記者証)を持っている人以外にも120名のコロンビア人記者が取材に来ていた。そのことからもコロンビアの国中が大きな期待を寄せていることもわかった。会見に現れたのが43歳になるGKファリド・モンドラゴンであったのも感慨深かった。



 日本戦が行われたクイアバのスタジアムは黄色のユニフォーム姿のコロンビア人で埋め尽くされた。私はもちろん、日本を応援したが、それでもコロンビアの強さを改めて知らされた試合になった。試合後、「私たちはコロンビア人だ」と合唱する人の声も聞こえた。日本がこれほど早く敗退してしまうとは思ってもいなかったが、帰りがけには「日本はとてもよく戦ったね」といろいろな人から声をかけられた。長年、つらい気持ちを過ごしてきたコロンビアだからこそ、この喜びがある。せめてコロンビアにはこの先もがんばってもらいたい。


竹澤 哲さん渾身のブラジリアンフットボール紀行
ジンガ:ブラジリアンフットボールの魅力
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